退屈うさぎのスエ吉さんイラスト

退屈うさぎのスエ吉さんは、やることもなく毎日毎日、くる日もくる日も空を眺めたり、風に揺れる草を見たりしていたけれど、さすがに見飽きてしまい、かと言って昼寝しようにも眠くないし、本を読むのは億劫だし、お腹はすいてないし、出掛けるのは面倒だし・・ってぼーっとして過ごしてるのにも飽きて、最終的に始めた変な競争。
たまたま目の前を歩いていたイモ虫に勝負を挑むスエ吉さんでした。
スエ吉さんの中で、完全に物語が出来上がってしまって、今初めて会ったイモ虫君とは長年のライバルという設定の様です。
「何処に行ってたんだ！あの日お前が行方を眩ませてからずっと捜していたんだぞ！」
まさか自分に話しかけられているとは思ってもいないイモ虫君は悠然とスエ吉さんの横を通り過ぎようとしました。
「待てよ！あの日の結着が、まだ付いていない！」
イモ虫君は歩みを緩め「まさか自分に言ってるのかなぁ〜？」と思いましたが黄色いうさぎの方を振り返りませんでした。
「またそうやって全て捨てて行くのかよ！イイぜ、俺に勝ったら何も聞かずに行かせてやる！」
いつもは退屈そうなスエ吉さんの目が、ただの妄想で、輝きだしました。
イモ虫君は自分以外、周りに人が居ないのを確認して、ゆっくりと退屈うさぎのスエ吉さんの方を振り返ります。
「あの、あの〜人違いではありませんか？初対面ですよね？」
「ヨーイドン！！」
退屈うさぎのスエ吉さんは相手の話を全く聞かずに、自分の妄想物語を進め、スタートダッシュをみせました。
若干フライング気味なのは愛嬌でカバーです。
「えー！ズルい」
イモ虫君は、退屈うさぎのスエ吉さんに勝手に挑まれた勝負に付き合う事にしました。
余裕で勝って妄想物語を進める予定だったスエ吉さんの横を並走しています。
なんだかいい勝負です。
スエ吉さんの適当な妄想で始めたので、ゴールなど設定していません。
この詰の甘さが、退屈うさぎのスエ吉クオリティです。
「ブッチギリの大差をつけたところがゴールだぜ」スエ吉さんは勝手に心の中でそういうルールにしました。
「そろそろ本気になろうかなァ〜」スエ吉さんは、さっきから結構本気のくせに、ワザとイモ虫君に聞こえる様に呟きました。
イモ虫君は、チラリとスエ吉さんの顔を見てほんの少しだけスピードを上げました。
退屈うさぎのスエ吉さんは、普段からダラダラしているので、自分で思っている程頑張れません。「俺を本気で怒らせたな！」とか「あの技を試す時がきた！」とか「正義にはピンチが必要だぜ」とか言っている間は良かったのですが、「転べ！」とか「お財布落としたよ」とか言うようになりました。イモ虫君は何となく勝っても嬉しくない気がして少しスピードを落とす事にしました。
・・・・ってスエ吉さんが追い抜くシーンのイラストです。
この後、元来飽きっぽい性格のスエ吉さんは「俺は勝ちにこだわってたんじゃなく、お前と走りたかっただけなんだ。等と、格好いい言い訳をして去って行きました。
この日からイモ虫君とお友達になったとさ。
って続きます。
その内、時間があったらその続きのイラストを描こうかな。新しいキャラクターとかデザインしてお話し広げておかないとだねぇ〜。